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江戸前鮨の締めの定番の干瓢巻きです。かんぴょうは夕顔という瓜に似た果実を桂剥きのように回転させながら帯状に細長く剥いて2日ほどかけて乾燥させたものです。
工程としては、乾燥した干瓢を塩を加えた水でよく揉み洗いする、下茹でする、水気をしっかり絞る、煮汁で味を含ませる。簡単に言うとそんな感じです。
まずはよく洗った干瓢を湯がきます。
沸騰したら中火にして、コトコト煮てゆきます。目安としては爪をたてたときに穴が開く程度まで柔らかくなるくらいです。時間にすると20分~30分くらいかと。
粗熱がとれるまで流水にさらしていきます。
このあと煮汁で炊いていくので水気をしっかり絞ります。余分な水分が残っているとぼやけた味になってしまうので根気よく、です。
きれいに並べて、
こんな感じで絞ります。
仕上げにさらしで表面の水分を取ります。
かんぴょうの下処理ができたら煮汁をつくっていきます。水、ザラメ、上白糖、醤油を鍋に合わせます。砂糖は黒糖でも何でも、好きな材料を使ってもいいです。鍋はフライパンで十分。少量なら26cmがぴったりです。
煮立ったら干瓢を加えます。このときバサッと入れずに鍋の底に敷き詰めるようにまんべんなく入れていきます。
沸騰したら中火に落とし、お玉で煮汁を回しかけながら煮絡めていきます。
15分~20分かけてゆっくり味をふくませながら水分を飛ばして、しっかり甘辛く炊き上げます。
これを冷凍しておけば何かと便利です。
1人分ずつラップで小分けにして冷凍します。
ここまでで、ようやく干瓢巻きの準備ができました。
用意する物:干瓢、シャリ、わさび、海苔、巻き簀。
かんぴょう巻きは細巻きにするので、まずは正方形の1枚のりを半分に切ります。太巻きなら1枚そのまま使います。
ここで重要な役目を果たすのが「本わさび」です。
練りわさびではなく是非、本わさびを使ってほしいです。上質なモノなら、1本2~3000円しますがそれだけの価値はあります。とはいえ、値段に換算すると主役のかんぴょうの5倍くらいの価格になってしまうのでそれなりの勇気と覚悟を必要とします。
すりおろしたわさびをたっぷりシャリに塗り付けます。ちょっと多いかな、ではなく明らかに多い、くらいです。というのも干瓢を炊くときの煮汁を濃いめの割合でつくっているからです。ワサビ巻きかんぴょう風味みたいな感じです。江戸前鮨のルールからするとはっきり言って邪道です。でも美味しいんですこれが。
で、形良く巻いて4等分に切ります。
先ほど邪道な鮨をご紹介していてなんですが、なぜ4等分に切るのかというと江戸前鮨の暗黙のルールというか、シャリと具材であるかんぴょうとの味のバランスの関係で、かっぱ巻き、鉄火巻き(ともにおちょぼ口で食べられる6等分が多い)と違う3等分や、4等分になったらしいです。
しっかり風味のある赤だし味噌汁と、程よく甘辛いかんぴょう巻きは締めに最高の取り合わせだと思います。締めに「山葵巻きかんぴょう風味」が食べたい方は是非。