『鱒』と『鮭』と『サーモン』って何が違うんですか講座。

みんな大好きサーモンにそっくりなコチラのお魚、『鱒』です。
パッと見は鮭に似ていますが、こちらはサクラマス(本マス)と呼ばれるお魚です。名札のようなものが付いていて、「北海道十勝沖」とあり、海で水揚げされたものだと分かります。
もともとは川で生まれて「ヤマメ」として成長します。孵化した後「川に残るのがヤマメ」「海に下るのがサクラマス」です。
川での生存競争や、縄張り争いに負けたヤマメが「あ、これキツイわ」と言って、海に下って本マスとして成長します。

「鮭」も孵化した後、川にそのまま残るものは「マス」として育ちます。
渓流でのマス釣りなんか有名ですが、淡水にいるなら鱒、海水に住むものを鮭と区別したり、サイズで大きいものが鮭、小さめは鱒と分けることもあるそう。
サーモンは日本語に訳すと「鮭」、海で育ったモノがサーモンという扱いですが、日本の鮭鱒と同じで、川で育ったり海で育ったりする種もあるため、しっかり分けられていません。
そして、最近では遺伝学が進歩し、専門家の間でも『鱒』と『鮭』と『サーモン』の違いは明確に決められていないそうです。
以上、『鱒』と『鮭』と『サーモン』の違いにつきましては、「よく分かりませんでした」ということで、本講座を締めくくりたいと思います。
と、いうことでさばいていきます。まず鱗をカネネタワシを使って落とします。

身が柔らかく、割れやすいので撫でるように、優しく落とします。

次に、お腹を開いて内臓を抜き、血合いを取り除きます。まな板の上に新聞紙を敷いています。後片付けが楽になります。

鱒子。おつまみで食べます。

血合い。包丁で切れ目を入れ、骨抜きの反対側を使って掻き出します。

ここで流水でキレイに洗っていきます。とにかく、身が柔らかいので、両手を使って優しく扱います。

発砲スチロールの蓋などに逆さに立てかけて、余分な水分や血を流します。
清潔な布巾で水気をしっかりとってから、頭を落とします。頭やカマの部分も粕汁の具材として美味しくいただきました。

お腹から包丁をいれて片身をさばきます。魚を上手にさばくコツは、包丁とお魚のサイズを合わせることです。
包丁の刃の長さと、魚の身幅(お腹から背中にかけての直線の長さ)が大体同じくらいが好ましいです。

見てわかるように、包丁の大きさと、魚の大きさが合ってませんね。悪い例でございます。
もう一方の片身は、普通の魚であれば裏返しにして三枚おろしにしますが、マスの場合はこの状態で中骨を外します。
要は、裏返したり、直接魚を動かして身に負担を掛けないようにしたいわけです。こんな感じで尻尾に向かって包丁を動かしていきます。

お次に腹骨をすいていきます。これは普通のお魚とやり方はおなじ。
骨抜きをつかって、身の方に残った中骨の先端部分の骨を抜きます。マスやサーモンは、身のセンターラインより少し上の方に埋まっています。白っぽい点が目印。

抜き抜きします。

一度で食べきれないので、ハラス、腹、背の3つの部位に分けます。こうしておくと、後でいろんな料理に活用できるので大変ベンリです。

薄塩を振って、しばらく身を休ませます。1時間程度。

表面に浮き出た水分をペーパータオルで拭き取ります。

すぐに食べる分だけ皮を引いておきます。これはお鮨用。

焼きもの用に、幽庵地をつくります。酒・醤油・みりんを大体同割。一度、沸かして冷やしておきます。

これに魚を浸けこんで冷蔵庫に保存しておくと、いつでも美味しく食べられます。

全体に味が染みわたるようにペーパータオルを被せておきます。

柵をお鮨用に切り付けます。この切り付けが、最終的なお鮨の「美味しさ」の重要な部分になります。
大きさや厚み、包丁を入れる角度など、味はもちろん、見た目の美しさにも大きく影響します。
見た目はサーモンとそっくりな鱒ですが、しっかりとした歯ごたえや、舌触りの良い滑らかな質感、しつこい脂とは違った、身自体の旨味。どれをとっても別物でした。
ぜひご家庭で入手して、堪能していただきたいところですが、「そんなの、やってられねー」という方は、一度(鮨ノマド)の出張鮨で味わってみてください。

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